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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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どこでくっつくか

 結合性双生児は胚の部分的な分裂の結果生まれるわけではないと考えるべき最大の理由は,彼らの体軸だ。彼らは頭どうしや胸どうし,腹部あるいは臀部どうしで結合している。つまり腹と腹,脇と脇,背中と背中が結合した形だ。どんな器官も共有できないほど結合が弱いものもあれば,すべての器官を共有するほど強いものもある。となると,この素晴らしい肉体的な配置は1つの胚が2つに分裂したことによって生じた,と考えるのには無理があるだろう。
 それでは,胚の分裂以外のいかなる方法で結合性双生児は生まれるのだろうか?サー・トマス・ブラウンは,子宮のことを「不可解な世界」と呼んだ。たしかにそのとおりだし,結合性双生児が生まれる原因を説明しようとするとき,とくにそう思える。しかし分裂か融合かというアリストテレスの二分法は人を惑わすだけだ,とする考えも出てきた。結合性双生児が生まれるには,まず1つの胚から2つの胚が作り出され,それから結合するが,1つの胚から2つの胚ができる方法は,機械的に分かれるような大雑把なものではなく,かなり繊細で興味深いものだ,と言うのだ。実際,結合性双生児は奇形の最たるものととらえられているが——つい最近も(1996年)『ロンドンタイムズ』は,ある結合性双生児を「形而上学的な侮辱を受けたもの(“metaphysical insults”)」と表現した——彼らがいたからこそ,子宮の中で私たちの体が秩序立って形成されるには,ある装置が働いていることが解明されたのだ。

アルマン・マリー・ルロワ 上野直人(監修) 築地誠子(訳) (2006). ヒトの変異:人体の遺伝的多様性について みすず書房 pp.30-31
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