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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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単眼症

 単眼症の子どもの1つしかない眼は,頭蓋骨の奥深くまで異常があることを示すサインのようなものだ。正常な脊椎動物の脳は,2つに分かれている。ヒトの場合はもちろん,「左脳」とか「右脳」とかの話をするときに出てくる,左と右の大脳半球をもっている。ところが,単眼症の子どもは違う。大脳半球と視葉と嗅葉が2つずつないのだ。前脳部分が融合して,見かけ上分割できない1つのものになっている。だから臨床医たちは,この先天的疾患を「全前脳症」と総称する。これはよく見られる脳の奇形で,1万6000人に1人の割合で生まれ,流産した胎児の200体に1体がこの障害をもっている。

アルマン・マリー・ルロワ 上野直人(監修) 築地誠子(訳) (2006). ヒトの変異:人体の遺伝的多様性について みすず書房 pp.64
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