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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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キレ芸

 「キレ芸」の始祖は松本人志でしょう。いらだちのあまりイーッとなった後,「僕は○○が許せないんですよ!」といったフレーズで笑いを取る。
 「キレ芸」は,とても他罰的です。「自分の思う通りにならない」ということを強く言っているわけです。
 松本さんは,普段からすごく細やかな神経でいろいろ人間の心理,心の綾を見つめているのだと思います。神経過敏と言ってもいいぐらいです。
 「Aをしたら,Bにならないといけないのに,なんでCになんねん!」とキレる。そこには「Aをしたら,Bになるはずだ」という彼が想定した「あるべき姿」があります。それはとても細やかな神経から生み出されているのです。
 また,松本さんが広めた言葉に「逆ギレ」があります。
 「逆ギレ」とは,自分と他人が関わったとき,どちらがキレるべきなのか,論理的に突き詰めて考えているからこそ生まれる発想です。手続き上,そちらがキレるのはおかしいし,正当性がない。そのことを怒りながら「逆ギレか!」と言う。これはつまり「思う通りにならないさま」を笑いに転化しているわけです。

槙田雄司 (2012). 一億総ツッコミ時代 星海社 pp.47-48
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