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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ナメクジの食べ方

 我ら哺乳類,例えば人間が食パンのトーストを食べるとき,トーストは端から欠けて行く。ところがナメクジは決して端から食べない。ナメクジに与えたキャベツを取り出すと,内側に孔が開けられている。彼らの食べる様子を,穴があくほどじっと観察しても,さっぱり分からない。例の米ソの専門書をのぞくと,謎は解ける。秘密は彼らの口の構造にある。
 触覚の下に口はある。人間の唇にあたる唇弁に囲まれ,中央に開いた口腔の上側に顎板と呼ばれる顎がある。その下の奥に口球という丸みを帯びた舌がある。その表面に矢じりのような形をした軟骨性の小さな歯がびっしり生え,これで葉の面をこすってこそぎ落とすのだ。あるナメクジの歯はざっと2万7000枚もある。

足立則夫 (2012). ナメクジの言い分 岩波書店 pp.43
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