共感のコツは相談者と“同じ温度の風呂に入る”ことにあります。
恋愛で悩んでいるとか,借金のことで困っているとか,いろんな悩みがありますよね。
その時に,ついつい僕たちはその相談者と“同じ温度の風呂”に入らないんです。
その人が熱くて困っているとか,冷たくて困っていると言っても,自分は服着て標準の温度で快適に過ごしながら,つまり安全地帯から「こういうふうにすればいいよ」と忠告してしまう。
とくに男性はこれをやってしまいがちです。女の人が男性相手に相談をすると,ムダに疲れてしんどいというのをよく聞きます。
というのも,男性はすぐに答えを出そうとする。
僕と同じで,役に立とうとするあまり,その人に対していま自分が言える一番論理的で,行動可能で,こういうふうにすれば状況が改善されるのにといった指針を,手早く言おうとしすぎるんです。
結論だけじゃダメなんです。それよりもっと前の段階で,「相手と同じ温度の風呂に入る」これが必要です。
岡田斗司夫・FREEex (2012). オタクの息子に悩んでいます:朝日新聞「悩みのるつぼ」より 幻冬舎 pp.34-35
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