いきなりですけど,“悩み”とは何でしょうか?
「複数の問題がこんがらがった状態」
これが“悩み”です。
個々の問題は単純なんですね。でも,それがこんがらがってしまう。こんがらがって互いにリンクして,まるで解決も考えるのも不可能に思えてしまう状態。それが“悩み”です。
たとえば,ですよ。
「お腹がすいた」
「お金がない」
「人にお金を借りるのは恥ずかしい」
これら個別の問題がこんがらがると,
「お腹がすいてご飯食べたいんだけど,お金がない。でも,誰に借りに行ったらいいんだろう。人にお金借りるなんて恥ずかしい。どうすればいいんだろう」というふうに,同じ問題を何度も考えてしまいます。
「それにしても,お腹がすいた。でも,お金がない。誰かに借りに行かなきゃ。でも,誰に借りたらいいんだ。恥ずかしいし。でも,お腹がすいた。このままだったら病気になってしまう」と,ぐるぐるぐるぐるループし始める。
分解していけば個別の問題は,「お腹がすいた」「お金がない」「恥ずかしい」というだけです。
もし,この“悩み”を因数分解するように分解してしまえば,解決可能なポイントがはっきりします。
「お腹が空いた」→無料で食事するには?スーパーたデパ地下で試食する?パンぐらい恵んでくれそうな知人はいないか?小麦粉や米など部屋にないか?
「お金がない」→今すぐブックオフに売れる本はないか?
「お金を借りるのは恥ずかしい」→恥ずかしがらずに借りられるのは?親に電話してみる?
これは仕分けです。はっきりすれば対処できるんです。
個別の「問題」に戻すこと。複数の問題を混ぜてしまって,“悩み”に進化させないこと。
これが“悩み”に対する最短アプローチです。
岡田斗司夫・FREEex (2012). オタクの息子に悩んでいます:朝日新聞「悩みのるつぼ」より 幻冬舎 pp.42-43
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