都内女子大のキャリアセンター長は「親からの相談のような,クレームのような電話はよくかかってくる」と疲れをにじませる。過去にあった保護者からの強烈な電話のひとつは,地方在住の母親からかかってきたこんな内容だったという。
「学芸員の資格を取得しても,私の娘はちっとも地元では就職できない。どういうことなのかきちんと説明してくれないか?せっかく大学に行かせたのに。責任とってほしい」
こう電話でまくしたてたそうだ。
この女子大では,図書館の司書や,学芸員の資格をめざすことができる。おそらくこの母親は,「就職に安泰」と思って,この女子大に子どもを入れたのだろう。
だが,「大学入学=学芸員の資格がとれる」はわかるにしても,「学芸員の資格がとれる=地元で就職できる」わけではない。だいたい少し調べれば,地元に学芸員の求人が少ないことくらい,大学に入る前からわかっていたことではないだろうか。
常見陽平 (2012). 親は知らない就活の鉄則 朝日新聞出版 pp.25-26
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