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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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知っている企業しか知らない

 新卒採用をめぐる永遠の課題は,就活生は「知っている企業しか知らない」ことである。親もそう変わらない。要するに,消費者として認知する企業しか知らず,そこを中心に受けてしまうことが永遠の課題である。
 就活を前にした3年生に「知っている企業とはどんな企業か」と尋ねると,CMに出てくる企業ばかりだったりする。自分が消費者として商品を使っている企業,ニュースや広告などで知っている企業ばかりの名があがる。
 いうまでもなく,「知っている企業」が「いい企業」とはかぎらない。ましてや,人気企業が「いい企業」だとはかぎらない。それこそ,JALは経営破綻するまで,ずっと人気企業ランキングの上位に入り続けていた。当時から,数々の不祥事を起こしていたし,「JALはもう危ない」と危機説が囁かされていにもかかわらずだ。
 そして,こういった「知っている企業」は,企業社会のことがよくわかrない若者が,就活の初期〜中期段階に選びがちだ。事実,ランキング上位の企業は消費者が顧客のB to C企業か大手企業がほとんどである。
 そして,誰でもこれらの企業にいけるわけではない。人気企業ランキングベスト100に入る企業の求人は毎年2万人くらいだ。それに対して人気企業に応募する学生は山ほどいる。
 こういった「知っている企業しか知らない」という学生の多さが,雇用のミスマッチを生むと考えられている。そして,そのために起こる内定率の低さを「就職氷河期」とは呼ばない。雇用のミスマッチが生む就職率の低下だから「就活断層」と呼ぶのである。

常見陽平 (2012). 親は知らない就活の鉄則 朝日新聞出版 pp.112-113
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