また,業界を見る際,その業界が黎明期,成長期,成熟期,衰退期のどのステージにあるのかもおさえておきたい。もちろん,先のことはわからない。仮にもし,40年働くとしても何が起こるのかは社長ですらわからないだろう。
就活時の花形産業は,未来の斜陽産業だ。今「石炭をやりたい」と言う学生はいないが,数十年前,石炭業界は花形産業だった。
業界再編の動きなどもよく起こるものだ。私が就活をしていた90年代半ばごろ,都市銀行は多数あったが,現在は3大メガバンクを中心に再編されている。
もっとも,挽回のストーリーだってある。以前,「商社冬の時代」と言われたことがあった。商社が介在する意味がない時代がやってくるのではないかということだったのだが,その後の総合商社は事業投資にシフトして,ますますのビッグビジネスとなった。現在,総合商社の大手5社の売上は約50兆円にも達しているし,学生にとって不動の憧れ業界となっている。
常見陽平 (2012). 親は知らない就活の鉄則 朝日新聞出版 pp.122-123
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