とりわけ就活生と接していて,気になるのはメールや電話などのコミュニケーションと,身だしなみだ。
メールは件名なしで送りつけてくるなんてことはザラだ。タイトルも「こんにちは」など,何が言いたいのかわからないものも多い。しかもメールアドレスも,「love」などの文字が入っているので,出会い系のスパムメールかと思ってしまう。宛名もなく,挨拶もなく,まるでつぶやきのようなメールだってある。しまいには,署名が書いていないので,誰から送ってきたのかわからないメールもあるのだ。
ちなみに,学生のメールで,今までで最高に呆れたのは,ある有名大学で講演した際に「今日の資料が欲しい方は,私のアドレスまでメールをください」と言ったところ,携帯から空メールが送られてきたことだった。誰から送られてきたのかもわからないし,ファイルも添付できないではないか。
電話だってそうだ。挨拶もせず,名乗らずにかけてきて,一方的に用件を伝えられることもある。オトナに電話をする経験がないのだからしょうがないとは思うものの,やはり,どうしたものかと思ってしまう。
ただ,そんな学生たちを一方的に責める気にはならない。単にマナーについて学ぶ機会,実践する機会がないだけなのだ。しかもマナーは,習慣である。付け焼刃的に学んでもボロが出たりする。
常見陽平 (2012). 親は知らない就活の鉄則 朝日新聞出版 pp.194-195
PR