忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

気づいたときには

 「固定残業代」が合法であるための条件は,(1)何時間分で何円分の残業代が含まれているかが(計算すれば)わかること,(2)残業代の部分や基本給の部分の時給がそれぞれ最低賃金を下回っていないこと,(3)予め支払っている残業代の分よりも長く働いた場合,超過した分の残業代を支払うことだ。これらの条件を満たせば,「固定残業代」は違法とはいえない。
 隙の無い「固定残業代」は違法ではない。しかし,これを正当なものだと言えるだろうか。ある会社は,100時間分の残業代や深夜労働,休日労働の割増を全て予め基本給に組み込んで支払っていた。働いている労働者は,そんな仕組みになっているとは思わないため,「給料は良いが仕事がきつい上に残業代も出ない」という程度の認識しかない。いざ残業代を請求しようとして初めて,会社側の策略に気がつくのである。計算してみて驚いたのは,1円のずれもなく最低賃金と一致するように賃金が設定されていた。

今野晴貴 (2012). ブラック企業:日本を食いつぶす妖怪 文藝春秋 pp.83-84
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]