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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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ストーリー生成

 ではここで,次の文章を読んでほしい。

 1日中ニューヨークの混雑した通りを散策し,名所見物を堪能したジェーンは,夜になって財布がなくなっていることに気づいた。

 この短い文章を読んだ人に単語保持テストを受けてもらうと,「名所」よりも「スリ」のほうを強く覚えていることがわかる。しかし実際には,「名所」は文中に出てくるが「スリ」は出てこない。なぜこうなるかは,連想一貫性で説明できる。財布をなくす理由は,ポケットから抜け落ちた,レストランに置き忘れた等々,いろいろと考えられる。ところが,財布がないという事実にニューヨーク,混雑が重なると,スリが財布を盗んだのだという説明が浮かんでくる。先ほどのスープを飲んで顔をしかめた客の例では,他の客がスープに文句を言うとか,顔をしかめた客がボーイと接触しただけで怒り出すといった次の出来事が,最初の驚きに一貫性のある解釈を連想させ,もっともらしいストーリーが作り出された。

ダニエル・カーネマン (2012). ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?(上) 早川書房
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