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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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どこを要約する?

 次の文章を読んでほしい。

 300人の高齢者を対象に電話調査を行ったところ,大統領の支持率は60%でした。

 この文章を10字以内でまとめよ,と言われたら,あなたはどう答えるだろうか。おそらく「高齢者は大統領を支持」と答えるだろう。この答はたしかにストーリーの幹に相当するが,となると枝葉の部分,すなわち調査が電話で行われ,標本数は300だった,という事実は無視されたことになる。これらは補足的な情報なので,あまり注意を引かない。たぶんあなたのまとめは,標本サイズがちがっても変わらないだろう。もちろん標本数がとんでもない数だったら,たとえば6人とか6000万人だったら,あなたは注目するにちがいない。だが専門家でない限り,標本数が150でも3000でも反応は変わらないと考えられる。これがまさに「人間は標本サイズに対してしかるべき関心を示さない」ということである。

ダニエル・カーネマン (2012). ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?(上) 早川書房 pp.167
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