ブアマン氏はいろいろ教えてくれた。良いチェックリストもあれば悪いものもある。悪いチェックリスト曖昧でわかりにくい。長すぎて使いにくく,実用に適さない。現場を知らないデスクワーカーによって作られる。彼らはチェックリストを使う人たちは馬鹿だと思い込んでいるから,全ての手順を細かく書き出そうとする。脳を活性化させるのではなく,眠らせてしまうようなチェックリストを作ってしまう。
一方,良いチェックリストは明確だ。効率的で,的確で,どんなに厳しい状況でも簡単に使える。全てを説明しようとはせず,重要な手順だけを忘れないようにさせる。なにより実用的であることが良いチェックリストの条件だ。
だが,どんなに良いチェックリストにも限界がある,ということをブアマン氏は強調した。やるべきことの優先順位を付けたり,チームワークを高めるきっかけを作ることもできる。でもチェックリストを渡しただけでは誰も使ってくれない。
アトゥール・ガワンデ 吉田 竜(訳) (2011). アナタはなぜチェックリスト使わないのか?:重大な局面で“正しい決断”をする方法 晋遊舎 pp.139
PR