食の安全問題を追求する消費者擁護団体,アメリカ公益科学センターによると,ホウレンソウとレタスは,肉以外で発生する食中毒の原因の24%を占めており,食中毒患者のなかには長期にわたる身体障害に陥ったり,死に至ったケースもある。2011年の夏,大腸菌に汚染された野菜でヨーロッパで40人以上の人々が亡くなった例もある。原因は,動物との接触,不潔な水,汚れた洗浄器具または不衛生な取り扱いである。この話から得られる教訓は,夕食で食中毒を起こすのを防ぐには,作家デヴィッド・ソロー的発想の生き方に回帰しなければならないということだ。何よりもシンプルで,おそらく安全な対策は,店で買った野菜は徹底的に洗い,サーロインを目の前で挽いてくれる肉屋でしかひき肉を買わないようにすること。そして,皿に載る食べ物が農場から食卓に届くまでの情報をできるだけ集めることだ。
レイチェル・ハーツ 綾部早穂(監修) 安納令奈(訳) (2012). あなたはなぜ「嫌悪感」を抱くのか 原書房 pp.136
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