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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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恣意的解釈

 人間の教育においても,教育する側が教育を受ける側について,教育前はもちろんのこと,教育の進行中にも慎重に観察することが大切だと思う。被教育者のもっている資質,おかれている条件,行動傾向,さらには教育的刺激への反応のしかたなどについての観察なしに学習を強要しても成果はあがらないであろう。しかし,観察のむずかしさは,K.ローレンツ博士のように対象を絶え間なく観察できればよいが,人間同士のばあいはそうもいかない。たとえ,母親と乳児との間でも冷静な態度の絶え間ない観察を求めることはムリであろう。私も「カメ」を絶え間なく観察したわけではない。どうしても目を惹く行動だけに注目して,それをつないで恣意的解釈をしがちである。親が幼いわが子の言動をみて天才ではないかと喜んだりするのは,この典型的な例であろう。

中村陽吉 (1991). 呼べばくる亀:亀,心理学者に出会う 誠信書房 pp.161
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