スキナーは1929年にハーバード大学に入学したとき,すでにパブロフとJ.B.ワトソンを読んでいた。実験の背後にある考え方ではワトソンから影響を受けたが,より直接的な影響を受けたのはパブロフからであった。スキナーは反射について研究し始めた。インタビューの中で彼は,いかにしてそれに満足できなくなったかを説明している。オペラントの概念は反射への批判から生じた。しかし,スキナーのオペラントと反射の区別[訳注 反射は自動的反応,オペラントは自発的行動]は,容易に曖昧にされてしまう。特に,彼の研究の社会的な応用に関心をもつ人には,両者の違いは覆い隠されてしまう。主な違いは,オペラント条件づけにおいては特定の行動が生み出す結果を調べ,それを利用するということである。
デイヴィッド・コーエン 子安増生(監訳) 三宅真季子(訳) (2008). 心理学者,心理学を語る 時代を築いた13人の偉才との対話 新曜社 p.339
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