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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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「それ」としての扱い

 人類の歴史全体を通じて,人びとは罪のない多くの存在を敵視し,イットとして扱ってきた。歴史の折々に人間として扱われなかった民族やグループのリストは長く,私たちのほとんどの大部分が含まれてしまう。たとえば黒人,共産主義者,資本主義者,芸,アメリカ先住民,ユダヤ人,外人,魔女,女性,イスラム教徒,キリスト教徒,パレスティナ人,イスラエル人,貧しい人,金持ち,アイルランド人,イギリス人,アメリカ人,シンハラ族,タミル人,クロアチア人,セルビア人,フツ族,イラク人などだ。
 そして集団の中に住みついたイットにたいして,その集団の指導者が排斥の命令をくだした場合は,なんでもありになる。良心はもはや必要なくなる。良心が私たちの行動を抑制するのは,仲間同士に対してであり,イットにたいしてではないからだ。イットは集団の中から排除される。彼らの家を奪い,家族を撃ち殺し,火あぶりにしても罰せられることはなく,称賛さえ受けるようになる。

マーサ・スタウト 木村博江(訳) (2012). 良心をもたない人たち 草思社 pp.84-85
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