私達の人生は性別や人種だけでなく,性格によっても形づくられている。そして,性格のもっとも重要な要素は,ある科学者が「気質の北極と南極」という言葉で表現した,内向・外向のスペクトラムのどこに位置しているかである。この連続したスペクトルのどこに位置しているかが,友人や伴侶の選択や,会話の仕方や,意見の相違の解消方法や,愛情表現に,影響をもたらす。どんな職業を選んで,その道で成功するか否かを,左右する。運動を好むか,不倫をするか,少ない睡眠で働くか,失敗から学べるか,株相場に大きく賭けるか,短期的な満足を求めないか,優秀なリーダーになるか,起きるかもしれないことをあれこれ想像するか,といったさまざまな性質を決定づける。さらに脳の神経回路や神経伝達物質や神経系の隅々にまでしっかり反映されている。現在では,内向性と外向性は性格心理学の分野で徹底的に研究されているテーマのひとつであり,数多くの科学者の興味をそそっている。
スーザン・ケイン 古草秀子(訳) (2013). 内向型人間の時代:社会を変える静かな人の力 講談社 pp.5
(Cain, S. (2012). Quiet: The power of introversion in a world that can’t stop talking. Broadway Books: St. Portlamd, OR.)
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