「人格の文化」においては,思慮深く,規律正しく,高潔な人物が理想とされる。他人にどんな印象を与えるかよりも,自分がどうふるまうかが重要視される。「性格(personality)」という言葉は18世紀まで英語にはなかったし,「性格がいい(good personality)」という言葉は20世紀になってから広まった考え方だ。
だが,「性格の文化」が広がると,アメリカ人は,他人が自分をどう見るかに注目するようになった。目立つ人や面白い人が人気を得るようになった。「新しい文化において必要とされた社会的な役割は,演技者としての役割だった。すべてのアメリカ人が自己を演技しなければならなくなった」とサスマンは書いた。
スーザン・ケイン 古草秀子(訳) (2013). 内向型人間の時代:社会を変える静かな人の力 講談社 pp.37
(Cain, S. (2012). Quiet: The power of introversion in a world that can’t stop talking. Broadway Books: St. Portlamd, OR.)
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