外見が人生を向上させるという助言は,それなりに自信をもつ人々をも不安にさせたに違いない。サスマンは,19世紀に書かれた人格形成をうながす本に頻繁に登場する言葉と,20世紀初めに書かれた性格指向のアドバイス本に頻繁に登場する言葉とを比較した。前者は,誰もが努力して向上させられる特質を強調し,つぎのような言葉が使われていた。
市民権
義務
仕事
品行方正
名誉
評判
道徳
礼儀作法
高潔
それに対して,後者が賞賛する特質は——デール・カーネギーはあたかも簡単に得られるかのように書いたが——手に入れるのがより難しく,つぎのような言葉で表現される。
磁力
魅力的な
驚くほどすばらしい
人の心を惹きつける
生き生きとした
優位に立つ
説得力のある
エネルギッシュな
1920年代,30年代に,アメリカ人が映画スターに夢中になったのは偶然ではなかった。魅力的な性格を持つ人物のモデルとして,映画スターは最適な存在だった。
スーザン・ケイン 古草秀子(訳) (2013). 内向型人間の時代:社会を変える静かな人の力 講談社 pp.39-41
(Cain, S. (2012). Quiet: The power of introversion in a world that can’t stop talking. Broadway Books: St. Portlamd, OR.)
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