言い換えれば,外向性の度合いはあなたの友人の数を左右するが,友情の質は左右しない。心理学者のイェンス・アスペンドルフとスーザンヌ・ヴィルパースは,ベルリンのフンボルト大学の学生132人を対象にした実験で,彼らの性格特性が仲間や家族との関係にどんな影響を与えているかを探ろうとした。アスペンドルフらは,「外向性・内向性」「調和性」「開放性」「勤勉性」「神経症傾向」の5つからなる主要5因子性格モデルと呼ばれるものに注目した(数多くの性格心理学車が,人間の性格はこの5つの因子の組み合わせで要約できると考えている)。
アスペンドルフとヴィルパースは,外向型の学生は新しい友人関係になじみやすいと予想し,実際にその通りだった。だが,もし外向型が向社会的で内向型が反社会的なのだとしたら,もっとも調和的な友人関係を育むのはもっとも外向的な学生のはずだ。だが,これはまったくあてはまらなかった。実際には,友人関係でもっとも衝突が少ないのは,調和性が高得点の学生だった。調和的な人は温かく,協力的で愛情深い。性格心理学者たちは,彼らをパソコン画面の前に座らせると,「誘拐する」「攻撃する」「悩ます」といった言葉よりも「親切」「慰め」「助力」といった言葉により長時間集中することを発見した。内向型と外向型の調和性は同程度だった。このことは,外向型の一部が人づきあいの刺激を好むものの,とくに親しい関係を築かないことを説明している。
スーザン・ケイン 古草秀子(訳) (2013). 内向型人間の時代:社会を変える静かな人の力 講談社 pp.287
(Cain, S. (2012). Quiet: The power of introversion in a world that can’t stop talking. Broadway Books: St. Portlamd, OR.)
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