現実には,多くの学校は外向型の子供たち向けにつくられている。内向型には外向型とは異なる種類の指導が必要だと,ウィリアム・アンド・メアリー大学で教育学を教えているジル・ブルスとリサ・カンジグは言う。また,「内向型の生徒に対しては,もっと外向的になりなさい,社交的になりなさいと助言する以外に選択肢がほとんどないのが現状だ」とも語った。
私たちは大人数のクラスで教えるのが当然だと思い込んでしまっているが,じつはそんなことはない。大人数のクラスに生徒をまとめるのは,それが効率的だからであり,大人たちにはそれぞれ仕事があるため,それ以外の方法が考えにくかったからだ。もし,あなたのお子さんがひとりで勉強したがったり,友達と1対1で話すのが好きだったりしても,なにも間違ってはいない。それはたんに,世の中の一般的なやり方にそぐわないだけの話だ。学校の目的は,子供たちに社会へ出て生活するための準備を整えさせることであるはずなのに,現実には,学校生活で生き残るためにはどうすればいいかが重大問題になってしまいがちだ。
スーザン・ケイン 古草秀子(訳) (2013). 内向型人間の時代:社会を変える静かな人の力 講談社 pp.322
(Cain, S. (2012). Quiet: The power of introversion in a world that can’t stop talking. Broadway Books: St. Portlamd, OR.)
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