大人たちは自分たちをそういう状況に押しこむことは絶対にしないだろうに,なぜ子供たちに杓子定規な環境を与えているのだろう?「変わっている」と思われていた子供が,大人になって「花開いた」のに驚かされるというのは,よくある話だ。それは「変身」したと表現される。だが,本当に変化するのは,子供ではなく環境なのかもしれない。大人になれば,職業や配偶者や,つきあう相手を自分で選ぶようになる。自分の意志と関係なく放り込まれた世界で暮らす必要はなくなるのだ。「個人・環境適合性」という観点からして,人間は「自分の性格と一致した職業や役割や状況にあるときに」活躍すると心理学者のブライアン・リトルは言っている。この逆もまた真実である。感情的に脅かされるとき,子供は学ぶのをやめてしまう。
スーザン・ケイン 古草秀子(訳) (2013). 内向型人間の時代:社会を変える静かな人の力 講談社 pp.323
(Cain, S. (2012). Quiet: The power of introversion in a world that can’t stop talking. Broadway Books: St. Portlamd, OR.)
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