エックマンが調べた電子メールのデータから導き出される結論は,いたって明快である。彼のデータベースにおける電子メールのユーザーは,誰ひとりとしてランダムに発信していない。いずれのユーザーも同じパターンを示しており,短時間に集中して多くのメールを出したあと,今度は一通もメールを出さない時期が長きにわたり,ときには数日にもわたって続くのである。もちろん,これは不思議でもなんでもない。われわれは会議に出たり,映画を見たり,外出したり,食べたり,寝たり,そのほかさまざまな活動に従事して,その間はコンピュータにさわれなくなる。そしてようやくメールのチェックをしたとき,短期間に幾つかのメッセージを一気に送って,電子メールの発信パターンに「バースト」を起こす。それから,また別の用事が入ってコンピューターから離れると,電子メールの流れにまた休止が挟まれることになる。
アルバート=ラズロ・バラバシ 青木薫(監訳) 塩原通緒(訳) (2012). バースト!人間行動を支配するパターン NHK出版 pp.152
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