過去数年,何人かの女性教師が,未成年の男子生徒とのセックスによって,最長で30年の禁錮刑に処せられている。制定法上のレイプの定義は州によって異なるが,ほとんどの州では特定の年齢(通常は14歳か16歳)以下の子どもと性交渉をもつことは,たとえ当人自信もティーンエージャーだったとしても,常に非合法とされている。そしてその年齢は同意年齢と呼ばれている。
またほとんどの州では,レイプ犯罪は両者の年齢の差に従って定義されており,この定義に合致した場合には,たとえ両者の同意があったとしても,制定法上のレイプとみなされる。その根拠として,一方の当事者が若いか,あるいは両者の年齢に十分な開きがあるとき,若い方の当事者の同意は同意とみなされないという考えが存在する。そのために前述の女性教師たちは,性犯罪者として刑務所行きになったのだ。
ケント・グリーンフィールド 高橋洋(訳) (2012). <選択>の神話:自由の国アメリカの不自由 紀伊國屋書店 pp.70-71
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