まず,「映画」が発明されました。映画を「演じる」とは言いませんね。映画は「上映する」ものです。このため「無断で上映されない権利」が作られました。
次に,「放送」が発明されました。放送を「上映する」とは言いませんね。そこで「無断で放送されない権利」が作られました。
さらに,「オンデマンド送信」(受信者がアクセスしたものだけを送信する方式)の時代になりましたが,それは「放送」とはちがいます。そこで,実は日本が世界で初めて,インターネットに対応した「無断で送信されない権利」を作りました。
実は,「無断でレンタルされない権利」も,日本が世界で初めて作ったものです。
こうした流れの中で,だれかがおそらく「しまた。最初から『公衆に伝わったという結果を無断で作られない権利』にしておけばよかった」と気づいたでしょう。
「コピー」の場合と同じように,「結果として人々に伝わった」という状態を(方法を問わず)無断で作られない権利としておけば,権利は1つでよかったのです。
でも,もうおそいですね。全体を変えるのは大変です。そこでどの国も,この系統の権利は,非常に多くなっています。
岡本 薫 (2011). 小中学生のための 初めて学ぶ著作権 朝日学生新聞社 pp.87-88
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