よく「中国では,日本のコンテンツが,たくさん無断でコピーされている」と言われていますね。そうした無断コピーは,なぜ,なかなかなくならないのでしょうか。
その原因は,1つしかありません。それは,「日本の権利者たちが,中国で裁判をあまり起こしていない」ということです。
中国のある遊園地では,日本やアメリカのアニメキャラクターによく似たぬいぐるみがたくさん使われており,それがテレビで紹介されたことがありました。
そのとき,ディズニー社は,すぐに中国で裁判を起こしましたが,日本の企業はすぐに裁判を起こしませんでした。だから,相手にナメられてしまうのです。
日本の企業の中には,「政府がなんとかしてくれ」などと言っているところも少なくありません。しかし,著作権侵害については「訴えるかどうかは,本人の自由」なのですから,本人が訴えなくては,何も起こらないのです。
岡本 薫 (2011). 小中学生のための 初めて学ぶ著作権 朝日学生新聞社 pp.219
PR