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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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手を伸ばす

私たちはとくに考えることもなく,1日に何百回も物に手を伸ばしている。実はこの動作を正確に行なうためには,想像以上に多くのハードルを越えなければならない。目に見えているターゲットの位置を把握して,それをもとに一連の筋肉の収縮を起こすためには,網膜に映る物体の位置だけでなく,頭に対する目の位置,体に対する頭の位置,肩に対する腕の位置,さらに胴体の向き(かがんで地面に落ちた物を拾う動作を考えてみよう)までが関わってくることを考えてみてほしい。適切な筋肉収縮を計算するためには,体の各部位の相対的な位置だけでなく,目の前に見える光景を,頭の中で追い続けなければならないのだ。

コリン・エラード 渡会圭子(訳) (2010). イマココ:渡り鳥からグーグル・アースまで,空間認知の科学 早川書房 pp.29
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