こういった光景は日常的であった。日本の会衆ではムチ用にゴムホースが会衆に置かれていたところもあった。この懲らしめも子供を愛していればこそである。箴言22章15節の聖句には,『愚かさが少年の心につながれている。懲らしめのむち棒がそれを彼から遠くに引き離す』と書いてある。さらに,箴言13章24節では『むち棒を控える者はその子を憎んでいるのであり,子を愛する者は懲らしめをもって子を捜し求める』と宣言している。
だから子供を叩かない親は,「子を愛していないわよ」と姉妹たちから諭される。子供が叩かれると,集会の終わりに姉妹たちが嬉しそうにその母親のもとにやってくる。
過去にはこの体罰が過度に行われて,子供が病院に運ばれて問題になったケースもある。しかし全ては神と自分の子を愛するがゆえに起きたこととされている。
佐藤典雅 (2013). ドアの向こうのカルト:九歳から三五歳まで過ごしたエホバの証人の記録 河出書房新社 pp.42-43
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