もし道をゆっくりと歩く年配の女性が2人いたら,それは間違いなくエホバの証人である。通常は伝道スタイルと言われる日よけの帽子をかぶっている。80年当時は,創価学会も同じように熱心に布教活動をしていたので,創価学会と証人たちが道でいがみあったというエピソードが残っている。もっとも証人たちからすれば,「そうかがっかり会」はサタンに惑わされている新興宗教だという見方になる。
他に熱心に伝道をしているのはモルモン教徒である。彼らも聖句を適用して足から足で布教活動をするべきだと信じている。だから車は使わずに自転車を使っている。もし2名の若い男性が白いシャツと黒いズボンで自転車に乗っていたら,それはモルモンだ。日本でも,通常は白人の伝道者が自転車に乗っている。モルモンの場合は,すべての信者にこの伝道活動が課せられているわけではない。だから証人たちの意見では,「モルモンもいいかげんで緩い」ということになる。
佐藤典雅 (2013). ドアの向こうのカルト:九歳から三五歳まで過ごしたエホバの証人の記録 河出書房新社 pp.52
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