両者には共通した宗教特有の3つの要素が含まれている。
1.絶対性(これが絶対の宗教・商品よ!)
2.純粋性(私たちの教義・商品以外は信用できない!)
3.選民性(私たちの教団・商品は選ばれている!)
極端に言えば,ナチスもこの3つの要素を持っている。自分たちによるヨーロッパ支配は絶対に必要,ゲルマン族の血は純粋である,ゆえに自分たちは統治する権利がある。程度を軽くすればマーケティングにおけるブランディング方法もこの方法にのっとっている。この商品は絶対に必要で,ブランドには歴史があり,これを持っている人は選ばれた人たちとなる。
そしてこの3つの法則に加えて,宗教とマルチには4つ目の条件が備わる。
4.布教性(弟子をつくろう!)
つまり「自分たちはこの真理・商品を広めて,弟子をつくっていきましょう」ということ。ただ受け入れるだけではなく,それをさらに広める人を自分の下につけていかないといけない。この4つの点で,私はマルチは証人と変わらないと思った。
佐藤典雅 (2013). ドアの向こうのカルト:九歳から三五歳まで過ごしたエホバの証人の記録 河出書房新社 pp.181-182
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