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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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遺伝的分散の存在

ここで「ある形質が遺伝する」ということは,その形質に関する遺伝的分散が存在することを意味する。つまりTurkheimerの行動遺伝学の第1原則によれば,人間行動のあらゆる形質に遺伝的分散が存在する。この問題は,自然淘汰による進化の原則と並べて考えた時に複雑な疑問をもたらす。なぜなら,先に述べたように,自然淘汰は適応に関する形質について遺伝的に均質な集団(遺伝的分散のない集団)をつくり出すプロセスだからである。もしある形質に関する遺伝的分散が見られるならば,まだ自然淘汰による適応が生じていないのか,または自然淘汰の対象とならない適応度の差がない分散であることが示唆される(Fisher, 1930)。

平石 界 (2011). 認知の個人差の進化心理学的意味 日本認知心理学会(監修) 箱田裕司(編) 現代の認知心理学7 認知の個人差 北大路書房 pp.76-102
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