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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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人=自分

 誰だって知っているはずだ。世界があるから自分がいるのではなく,自分がいるから世界があるのだということを。
 人は皆が思っているほどに賢くはない。でも皆が思っているほどに残虐でもない。だからこそ過ちを繰り返す。心が弱くて,優しくて,善意溢れる生きものだからこそ,人は互いに殺し合う。
 これを本気で認めることは辛い。主語を一人称にしなくてはならないからだ。

 でも飢えて死んだ幼児の落ち窪んだ眼窩にハエがたかっていたり,両親や兄弟が爆発で吹き飛ばされて腕や足や臓物がばらばらに散乱していたり,愛する人が炎で焦がされながら炭になったり,男たちが憎しみ合い殺し合うことを考えれば,その程度の辛さなど何でもないはずだ。

森 達也 (2006). 世界が完全に思考停止する前に 角川書店 pp.10-11
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