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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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相違と邪悪

西洋世界は相違を邪悪と同一視し,その伝染を恐れた。奇妙な行動をしている者は悪魔と交わっているのかもしれず,共同体全体の福利を(そして永遠の救済を)おびやかしかねない。極端な例では,拷問と処刑が神の業の一環として完全に正当化された。もっとましな例では,回復もありえたが,それも罪を告白して神と聖なるものに立ち返ってからの話だった。ギリシャの科学的観察は,不合理な霊的診断のシステムにとってかわられ,さまざまな精神状態の特性はさまざまな悪魔の序列に対応させられた。宗教の妄想という覆いがヨーロッパに垂れ込め,最も弱い人々に対する卑劣で残酷な扱いが正当化された。

アレン・フランセス 大野裕(監修) 青木創(訳) (2013). <正常>を救え:精神医学を混乱させるDSM-5への警告 講談社 pp.93
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