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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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憑依から診断へ

もう少し進んだ宗教団体のなかでは,しだいに憑依ではなく罪が診断として好まれるようになり,精神疾患の説明に使われるようになっていった。受け入れがたい行動や態度は,粗野,野蛮,貪欲,好色な性質が外に現れたものとされた。精神障害者は悪魔から罪人へと昇格したわけだ。その行動は悪魔じきじきの介入によるのではなく,道徳や慎みに欠けた自由意志の行使を示す。そういう意味では,精神障害者はよくいっしょに収容されているありふれた犯罪者と大差ない。感情を抑え,罪を断ち切るまっとうな道へと精神障害者を導くために,厳格な扱いが推奨された。精神障害者は厳しくしつけ,従順にし,拘束しなければならない。罪深い性質は根深く染み込んでいる。

アレン・フランセス 大野裕(監修) 青木創(訳) (2013). <正常>を救え:精神医学を混乱させるDSM-5への警告 講談社 pp.94-95
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