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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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現実の方がおかしい

誤差というのは本来,あってはならないもの,あるいはあっては欲しくないものということであるとすれば,現実を理想化,あるいは美化したものの見方をこそ真実と考える情動が働いて,事実でないものの方が,事実以上の重みを持ってしまうということになるかも知れません。
 それは現実の社会の人間関係だけでなく,技術の世界も同じことなのです。現実にあるはずの誤差を無視して,誤差のない状態でものを考え,現実と矛盾すると,自分の考えの方がおかしいと思わずに,現実の方がおかしいと考えるのです。

矢野宏 (1994). 誤差を科学する:どこまで測っても不正確!? 講談社 pp.31-32
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