雑用を例にとってみよう。家事分担を半々かそれに近くという女性の願望は,摩擦を引き起こすことが多い。というのも,このことは中間型男性の信念(“夫は家庭に貢献すべきであるが,育児,食事の支度,洗濯は本来は妻の仕事だ”)とぶつかるからだ。働いている女性は,子供や家庭に関する精神的な責任も2人の間で分担されるべきだという信念をもっているが,これもよく摩擦を起こす。彼の父親や祖父と違って,中間型の男性は,子供を風呂に入れたり,おむつを取り替えたりといった肉体的な責任の分担はする。けれど相変わらず,家庭と子供に対する精神的な責任分担,たとえば小児科医の検診の日取りを決めたり,保育の手配をしたり,ショッピング・リストをつくったり,といったことは女性の仕事だと信じている,あるいは少なくとも信じているふりをする。これは妻が仕事を持っていても同じだ。
J.ベルスキー・J.ケリー 安次嶺佳子 (1995). 子供をもつと夫婦に何が起こるか 草思社 pp.52
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