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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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戦前アメリカ人類学の特徴

 戦前のアメリカ人類学には2つの傾向が強かった。ひとつは,全体社会のレベルで「文化の型」を抽出することである。当時の人類学は,人口が数千,数万の未分化,単純社会を対象としていたから,こういう作業が可能であるように思われた。もうひとつは,人間の可能性を発見するという関心が強かったことである。その結果,「西洋」が産業化の過程で失ったとされる過去の美しい伝統が,未開社会の中にいまも生きている,というロマンチックな憧れが研究の中に持ちこまれた。そのため,研究対象の社会の理想像と現実像が混乱するという事態が発生する。これらの傾向は,戦後のアメリカの日本研究を考える背景として重要である。

杉本良夫&ロス・マオア (1995). 日本人論の方程式 筑摩書房 p.48
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