忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

魚類は存在しない

つまりこういうことだ。わたしたちが魚だと思う生物をすべて,ひとつのグループに入れるとしよう。それが「実在するグループ」であるには,進化的につながりのある種がすべて入っていなければならない。そこで「このグループの祖先の子孫で,このグループに入りそこねているものはいないか?}と尋ねてみよう。すると,驚いたことに,魚とはとても呼べない生物がわれもわれもと現れてくるのだ。その中には,爬虫類や,哺乳類,つまり人間のようにまったく魚でない動物も含まれる。そして分岐学の厳密なルールに従えば,それらをすべて——トカゲからカメ,ヘビ,クマ,トラ,ウサギ,そして人間まで——そのグループに入ることになり,もはやそれは魚の集団ではなくなる。すなわち,この新たな分類法によれば,わたしたちが知っている「魚類」というグループは存在しなくなるのだ。かくして,革新的な分岐学者の手により,「魚」は消された。その消滅は,進化のつながりに忠実な新しい分類法がもたらした予想外の結果だった。

キャロル・キサク・ヨーン 三中信宏・野中香方子(訳) (2013). 自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか NTT出版 pp.9-11
PR

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]