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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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二名法

あらゆる土地の人々が,二名法によって,変種の多い大集団のメンバーを区別している。人間でさえこの方法で呼ばれている。スミスは,ボブ・スミス,ジョー・スミス,サリー・スミス。リーは,リー・ウェン,リー・チア,リー・チー……。そしてリンネが定めた科学的分類において二名法は,種と,より大きな枠組みである属の組み合わせとして用いられる。すべての種は,二部からなる固有の名によって呼ばれるべきだ,とリンネは言った。前部は属を表し,後部は種を表す(ホモ・サピエンス=ホモ属のサピエンス種,というように)。これもまた,どうしても二名法でなければならないというわけではない。理屈だけ言えば,生物の情報を名前に組み込む方法は無限にある。それでも,あらゆる場所で人間は,二名法によって生物を名づけてきた。またリンネ以降,彼が聡明にも環世界のルールを見抜いて明文化したものではなく,誰もがいちばん筋が通っていると思っていた命名法を,改めて説明しただけのものなのだ。どういうわけか,わたしたちは,環世界センスによって生物の秩序を理解する方法として,二名法は最もふさわしいと感じるのだ。

キャロル・キサク・ヨーン 三中信宏・野中香方子(訳) (2013). 自然を名づける:なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか NTT出版 pp.153-154
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