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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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バブル

日本科学大学は,森林に囲まれた高台にある。経済成長の夢が頂点に達した頃に計画され,その夢が消えた頃に完成したキャンパスである。もともとは,都内にあった小さな私学で,前身は専門学校だったのだが,多額の金を集めて大きな夢を見た人間がいたのだろう。そんな人間は,あの時代にはむしろ平均的な人種だった。もっとも,当時は,狭い都内の土地が夢みたいな高い値で売れたので,資金的には一概に無謀な計画と非難することはできなかった。ただ,都心から遠く離れ,こんな僻地にまで学生が来てくれるのか,という小さな心配があっただけだ。当時,その心配は,自然に囲まれた環境,という綺麗な言葉で一蹴されたわけだが,今では,その心配が致命傷と断言できるほど大きくなっていた。

森博嗣 (2013). キウイγは時計仕掛け 講談社 pp.25
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