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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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解離性健忘

一方,私たちが映画やテレビドラマで見知っている記憶喪失の多くは,専門的には「解離性健忘」と呼ばれるものに基づいている。これは強いストレスや精神的なショックによってエピソード記憶の一部あるいは全てを失ってしまうものである。こうした現象については19世紀末からフランスのピエール・ジャネ(1859〜1947)らの研究によって明らかにされた。
 ただし小説やドラマではこうした心因性の健忘だけでなく,事故などの外傷による健忘も同じように扱われる。虚構の世界の制作者たちの関心は,医学的な症状を忠実に再現することにないからである。むしろフィクションにおける記憶喪失が現実と大きく異なっている点は,それがあるきっかけによって一気に治ることであろう。

小田中章浩 (2013). フィクションの中の記憶喪失 世界思想社 pp.14
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