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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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記憶喪失というモチーフ

その一方で,何度も繰り返して語られていくうちに新奇さを失い,もはや物語を進める上での約束事のようになっている筋立てもある。こうしたものは,特に神話や伝説のように,数限りなく繰り返して語られてきた物語に見られる。神話学や民話学では物語を構成するこうした要素のことをモチーフと呼ぶ。モチーフは,物語の興味の中心(テーマ)を構成することもあれば,物語を構成する一要素にすぎない場合もある。記憶喪失をめぐる物語についても同様である。記憶喪失が物語のテーマになっていることもあれば,それは物語を進める上での1つの前提でしかない場合もある。

小田中章浩 (2013). フィクションの中の記憶喪失 世界思想社 pp.18
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