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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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オウム以降の方向性

 オウム以降,不安が蔓延することによって思考を停止した社会は,正義と邪悪,善と悪,真実と虚偽などの二元論に無自覚に邁進しながら憎悪を萌芽させた。民意を市場原理とするメディアはこの流れに追随する。こうしてテレビの画面を挟み,二元論が相乗効果として加速される。もちろん新聞や雑誌も,この競争原理からは無縁でいられない。
 マスメディアはここぞとばかりに新たな生贄探しに狂奔し,それによって刺激された世論はさらにサディスティックとなって次の標的を求め,メディアはこれに応えるために血眼になる。魔女狩りの時代の復活だ。この局面に陥れば,メディアだけでなく政治や司法でさえも,主体的なコントロールを取り戻すことは難しい。つまり社会は全方位的なポピュリズムに支配される。


森 達也 (2008). それでもドキュメンタリーは嘘をつく 角川書店 p.128
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