このように,大学の勉強が企業ではあまり評価されないということが,学生の間で広まっているところに,キャリア講義のゲスト講師として来た社会人や大学教員が「大学の勉強なんかムダ」論を語れば,事情を知らない学生は真に受けてしまう。
しかし,これを学生が真に受けると実に危険だ。
勉強をしなくなることで,基礎的な教養がボロボロのまま就活に突入することになるが,2010年代に入ってから,採用側もやたらと大学の勉強について聞くようになったからだ。
その学生の学部や研究内容が企業の事業内容に関連するかどうかは,別にどうでもいい。知りたいのはちゃんと勉強をしているかどうか,そして基礎的な学力や教養が身についているかどうかだ。案の定というか,勉強していない学生は,面接での想定外の質問に言葉を詰まらせることになる。
石渡嶺司 (2013). 就活のコノヤロー:ネット就活の限界。その先は? 光文社 pp.163
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