前提条件として整理しておきたいが,大卒採用——特に事務総合職の場合,大学・学部・研究内容などは,その学生の評価とは無関係である。では,特定の資格・技能などを見ているか,と言えばそれもない。そういうのが重視されるのは転職市場においてであって,大卒採用市場(特に事務総合職)では無関係だ。
採用側が何を見るかといえば,学生の将来の見込み・可能性である。この曖昧な概念において,大学の勉強は何を意味するのか?
大学・学部・研究内容はともかく,何か1つのテーマをしっかり勉強していれば,多少なりとも論理的思考能力は身に付くだろう。それは,教養や社会常識などについても同様だ。そういうものが身に付いていれば,仕事において大所高所から色々なことを判断するのに役立つだろう。それなら高い給料を払う価値がある——このように採用側は考えるのだ。
石渡嶺司 (2013). 就活のコノヤロー:ネット就活の限界。その先は? 光文社 pp.164
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