忍者ブログ

I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

当事者にはなれないことを自覚せよ

 今僕たちが意識化せねばならないことは,無理やりに当事者側に身を置こうとすることではなく(絶対に置けないのだ),自分が非当事者であることを,もっと徹底して自覚することだ。今の僕は当事者じゃない。だから冷静でいられる。当たり前だ。誰もが当事者になる必要などないし,なれるはずもない。今のこの社会が共有しているのは,被害者の哀しみではなく,加害者への表層的な憎悪だけだ。被害者や遺族の底知れない哀しみなど,実は第三者である僕らに共有などできるはずがない。第三者だからこそ,気軽に憎悪を発動する。要するに主語がない。だから述語は,新たな標的を求めながら暴走する。それが今の日本社会だ。

森 達也 (2008). それでもドキュメンタリーは嘘をつく 角川書店 p.291-292


PR

TRACKBACK

Trackback URL:

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

Copyright ©  -- I'm Standing on the Shoulders of Giants. --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]