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I'm Standing on the Shoulders of Giants.

読んだ本から個人的に惹かれた部分を抜き出します。心理学およびその周辺領域を中心としています。 このBlogの主な目的は,自分の勉強と,出典情報付きの情報をネット上に残すことにあります。書誌情報が示されていますので,気になった一節が見つかったら,ぜひ出典元となった書籍をお読みください。

   

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存在と不在

 「輪郭あざやかな」種は確かに存在するが,--その起源を説明することがダーウィンの書の目的である--ダーウィンは種という概念の「原理的な」定義を見出そうとする私たちの努力に水をさす。ダーウィンの一貫した主張によれば,変種というのはまさに「発端の種」のことであり,普通2つの変種を2つの種に変えるものは,何かの<存在>ではなく(たとえば,それぞれのグループにとっての何か新しい本質),何かの<不在>である。つまり,かつてはそこに存在していたもろもろの事例の不在である。要するに,かつては必要な踏み石と言ってもよかったものが最終的には絶滅してしまって,<実際には>それぞれ形質も違えば生殖的にも隔離されている2つのグループが,あとに残ったのである。

ダニエル・C・デネット 山口泰司(監訳) (2001). ダーウィンの危険な思想 生命の意味と進化 p.62
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