ときとして私たちは,運というものを予測が外れたことの言い訳に使おうとする。金融危機が表面化した際の格付け会社のように。けれども,予測が外れた本当の理由は,現実に存在する以上のシグナルをキャッチしようとしたことにある。
この問題を解決する1つの方法は,もっと厳しく予測を評価することだ。結果を評価することで,安定的に正しく予測できるようになる分野もあるだろう。もう1つは,結果ではなくプロセスを重視する方法だ。データにノイズが非常に多いときにはこの方法しかないだろう。ノイズが多すぎて,どの予測が正しいのかわからないときは,予測者の姿勢や適性に注目しよう。それらは予測の結果と相関があるはずだ(ある意味,私たちは予測者がどのくらい正確な予測をするかを予測していると言える)。
ネイト・シルバー 川添節子(訳) (2013). シグナル&ノイズ:天才データアナリストの「予測学」 日経BP社 pp.361
PR